大和屋 巌 遺作展

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絵:アトリエの仲間たち
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題名
アトリエの仲間たち
大きさ
60号
2005年

第92回日本水彩展出品

仮面が好きで、日本各地の天狗の面から始まり、
メキシコ・スペイン・イタリア・アフリカ諸国・中国などから収集
左上の鴉天狗が最古参

「アトリエの仲間たち」
 画家の持っているコレクションが、たくさん並べられている。まさに題名にあるように、それぞれが「仲間たち」というイメージのなかで、お互いがしぜんに関係をもちながら一つの画面を構成している。あまり整理せずに、美しいものを美しいものとして、よいものをよいものとして見る、そういった広がりのある画家の目の力が全体に浸透している。それはまた、愛情というものの力と言ってよいかもしれない。その力が個々のモチーフを活性化させて、おそらく現物を見る以上に豊かな表情を与えている。この仲間たちを荘厳するようにたくさんの花の挿された壺を背に負った黒い馬が手前に置かれている。
 詩心の力が画面全体に広がっていき、その詩心がまたこの不思議な人形たち、あるいは仮面たちを集めて、いわば万国祭のような不思議な、温かな雰囲気をつくりだしていると思う。(高山 淳)
『2005年版 現代日本の美術』(生活の友社)