第87回日本水彩展出品 みかさモダンアートミュージアム所蔵 大作唯一の自画像作品
「閉山の炭坑」 画家は少年時代を炭坑の町で過ごした。やがて取り壊されるこの建物を作品に残そうとした。全身の自画像。その右側の廃棄された建造物の一部。その向こうに見える竪坑の建物。どこまでが現実でどこまでが非現実かわからないように、画家は緻密に画面を構成している。 これはいわば、画家の追想的で内的なモニュマンといえる。(高山 淳) 『2000年版 現代日本の美術』(生活の友社)